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2019年 海の主日

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+主の平和がありますように。

物流、船員たちの福祉そしてMtS

歴史を振り返ってみますと、ペルシアからアレキサンダー大王を経てローマに至るまで、いずれの帝国も、ほぼ同じ地域を統治していたという事実があります。言い換えれば、どの帝国もそれらの地域を手に入れるために戦ってきたのではないかと言っても過言ではありません。

古代から権力者たちがその覇権を争ったもの、それは物資の輸送路です。帝国が巨大になればなるほど、人も物も出入りが盛んになります。より多くの輸送路を抑えたものが栄えるのは、自明の理でありましょう。
物流は、歴史の変遷などの大きな局面にかかわっているだけでなく、私たちの日常にも大きな影響を与えています。普段、ほとんどの人は、いろいろな品物を、各々が希望する場所で、都合の良い時間に受け取ることができます。

先日あるドキュメンタリーで、峻険なチベットの山々を行き交う茶馬古道(ちゃばこどうこどう)チベットの馬幇(マパン)と呼ばれる商人たちの姿が放送されていました。彼らは命がけで生活必需品の調達のために旅をするのです。それは、私たちの暮らしとはかけ離れた世界ではありますが、あまりにも便利になり過ぎたがゆえに、ほとんど忘れられている物流の大切さと、それにかかわる多くの手があることを思い起こさせてくれます。

先頃、港湾労働者のストライキによる荷揚げ作業の休止などにより、一時物流に大混乱が起きたのは記憶に新しいと思います。国際海運の景気全体の沈滞に端を発するものだけでなく、私たちはこうした動きに対してもっと注視していく必要があるのではないでしょうか。

横浜、神戸、苫小牧港は、日本経済とアジア地域の物流に大きな役割を担っています。海上輸送の担い手は商船であり、それらの船舶を動かすのが、船員と呼ばれる乗組員たちです。彼らの苦労がなければ、私たちの生活に必要な物資はたちまち滞り、大きな困難に直面するのは想像に難くありません。しかし、実際には船員たちの存在が意識されることは少なく、彼らの労働環境や福利厚生についても、あまり関心が払われてきませんでした。

そこで、船員たちの問題に真正面から取り組もうと、活動をはじめたのがMtSです。
MtSは、海員宣教と船舶乗組員たちへのサポートを主な目的として発足した、英国国教会傘下の国際的機関です。
MtSは、一般的な労働環境ではほぼ守られている、基本的人権の遵守に基づく規則や雇用条件からは著しくかけ離れたところにある船舶乗組員たちの現状が少しでも改善されるように、いち早く取り組もうとしてきました。しかし、これからも充実した活動を続けていくためには、更なる支援と関心が必要だと考えています。

海の日のこの機会に、日本聖公会の信徒・聖職の皆様をはじめ、より多くの方々にMtSの活動を知っていただき、船員たちを支える手が少しでも増えるように努力を重ねてまいりたいと存じます。
ご加祷とご支援をよろしくお願いいたします。

2019年6月25日
The Mission to Seafarers, Japan
Chaplain 司祭 吉 野 暁 生
同     司祭 Simon Ro Chul Lai
同     司祭 Paul Tolhurst

2019.06.18 | 海の主日

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